土のめぐみの産地の熊本、そこは熊本の中でも中山間地、標高は500m以上もあるんです。 だから夏は涼しくていいんですが、冬は骨まで凍るほど本当に厳しい。 以前、真冬の朝6時頃の畑でした。 凍る手でほうれん草を収穫をしていた生産者が話してくれました。 「今は野菜がなかけん、お客さんには悪かですねぇ。ばってん、そうなぁ、わかってくれる人も多かですね」 「はい、ホントに少しずつだけど お客様の声が増えてますから」 「土田さん、いつも言いよんなはるもんな」 「この厳しい冬の作業も伝えますから。 応援してくれるんですよ、みんな」 「そらぁ寒して痛とて泣こごたある。けど いつもうれしかし、励みにもなる」 「頑張って伝えて、食べてもらって、お客様にもこの畑に来てもらえたらいいですね」 「ばってん、いつか作る方と食べる方のワクを越えてな、みんながわかり合えるようにできたらよかね」 「うんうん。。。そうですね。 すっごくわかります。。。」 (泣きそうでした) 「もっと”おいしい”っち言うてもらえるよう、がんばりまっす」 (…こらえきれませんでした) 有機生産者は、すべてがスタートから無農薬や有機栽培に取り組まれたわけではありません。 以前(20~30年前)は当たり前に農薬などをどんどん使っていた生産者もおられたんです。 でもある日、まわりの人が倒れていったり耳が聞こえなくなったり味覚が狂ったり。ほかにも多くの恐ろしい現象がどんどん起こるようになったといいます。 危険な農薬を野菜に使って一番影響を受けるのは、実は生産者なのです。 あふれるほどの農薬や化学物質を使って見栄えを良くして、大量で美しい均一の野菜を作れば大きな組織が買ってくれる。。。 というのが昔からの流れ、固定観念、いわば農家の常識でした。 そこから無農薬や有機栽培に切り替えるのは、ある意味正気の沙汰ではなかったでしょう。 ブレない本気の信念と命がけの勇気がなければまず不可能です。 考えられないようなとんでもない苦労を乗り越えて、そして今があるのだと思います。
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